【定休日変更のお知らせ】
2018年5月より、エスピナーソ・三軒茶屋の定休日が日曜日、月曜日に変更になります。これまでより平日営業日が1日増え、より多くのお仕事帰りの患者さんをご案内できようになります。ご迷惑をおかけしてしてしまう方には大変申し訳ございませんが、施術のタイミングに影響がでないよう精一杯努めますので、何卒ご理解のほどお願いいたします。 鈴木
2018年5月より、エスピナーソ・三軒茶屋の定休日が日曜日、月曜日に変更になります。これまでより平日営業日が1日増え、より多くのお仕事帰りの患者さんをご案内できようになります。ご迷惑をおかけしてしてしまう方には大変申し訳ございませんが、施術のタイミングに影響がでないよう精一杯努めますので、何卒ご理解のほどお願いいたします。 鈴木
「自然治癒力」と言う言葉が医療の分野において使われる時、そこにはネガティブな意味が隠されていることがあります。たとえば医師が病気の患者に「自然治癒力に任せるしかない」と言ったなら、多くの患者はそれを「これ以上の治療は諦めるほかない」という意味で理解するでしょう。
また、「プラセボ効果」という言葉も同様に医療の現場ではネガティブな使われ方をする機会が多いと思います。「プラセボ」とは「偽薬」の意味で、薬理効果のない偽薬(ブドウ糖など)を薬と偽って処方しても、患者が本当の薬だと思い込むことで、一定の改善が見られることをプラセボ効果といいます。サプリメントなど、効果の認められていない民間療法で症状が改善したとしても、「ただのプラセボ効果」と考えられてしまうことはよくあることです。
「自然治癒力」も「プラセボ効果」も、ともに体が持つ「外力に頼らず自分で治る力」という点で共通しており、私達の自然で健康な生活の鍵を握るものです。しかしながらその複雑さゆえ、科学的に解らないことが多すぎ、あまり積極的に、また肯定的に語られる機会が少ないのはとても残念なことです。
今回のコラムでご紹介するのは、ある医療系コミュニティーサイトに掲載された、スタンフォード大学准教授、アリーア クラム博士による「思い込みが私たちの健康に与える影響」についての記事です。クラム博士はプラシーボ効果を中心として、「思い込み=mind set」が生活のなかで私たちの体に与える影響をさまざまな視点から研究しています。
例えばある研究では、同じ運動量の仕事をこなすホテルのルームアテンダントの中から「自分は運動不足である」と思っている80人を抽出し、2つのグループに分けました。そして一方のグループにのみ「この仕事の運動量は推奨される基準を満たしており、十分なエクササイズである」と知らせたところ、1ヵ月後にはこのグループのみ体重、体脂肪、血圧等の改善が見られたそうです。
また関連した研究によれば、長期的に統計をとると、同じ活動量であれば、「自分は活動的である」と感じている人の方が、感じていない人よりも21年後の死亡率が72%も低いことがわかりました。つまり、ポジティブなイメージを持って運動するほうが、体の反応が良くなり効果も出やすいという事ですね。
別の思い込みに関する研究では、とても興味深い結果が出ています。被験者を2つのグループに分け、一方のグループには620kcalのリッチで濃厚なミルクシェイクと紹介したものを飲ませ、もう一方のグループには140kcalのダイエットミルクシェイクと紹介したもの飲ませました。しかし実はこれらのミルクシェイクはどちらも380kcalの標準的なミルクシェイクです。飲み終わった後に全員の血液を採取したところ、「リッチで濃厚な」ミルクシェイクを飲んだグループの「グレリン」というホルモンが、もう一方のグループと比べて有意に低下している事がわかりました。グレリンとは「空腹ホルモン」として知られるもので、お腹がいっぱいになると血中濃度が下がります。つまり、同じものを飲んだにもかかわらず、高カロリーと信じて飲んだ方がお腹がいっぱいになってしまった、と言うことです。ちなみにこの空腹ホルモン「グレリン」は体の回復や代謝に必要な「成長ホルモン」の分泌を促すもので、自然治癒力そのものに影響するホルモンといえます。
記事の文末でクラム博士はこう述べています。
「多くの医療従事者はプラセボ効果をミステリアスで不適切な反応だと考えがちですが、実際には私達の健康を司る自然治癒力の重要な要素なのです。」
健康でいるために、どんなエクササイズをするか、何を食べるかは、もちろん重要です。しかしこれからはそれだけではなく、もともと私たちの体には「自分で良くなる力」がある事、そしてそれを少し意識するだけでその力は強くも弱くもなる事を忘れずにいたいですね。
おかげ様を持ちまして、エスピナーソ・三軒茶屋は4月7日に無事、開業から一周年を迎えることができました。代替医療という楽しくも厳しい世界で、この小さな治療院が無事スタートをきることができたのは、ひとえにご支援くださいました患者さん、お世話になった先輩先生方を含め同業の仲間達、家族やその他さまざまな分野でお力添えいただいた多くの方々のおかげです。まだまだ至らぬ事ばかりですが、地域の皆様の「健康に生きる力」のお手伝いができますよう、感謝の気持ちを忘れずいっそう精進していきたいと思いますので、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
2018年4月7日
鈴木 謙 DC